『HUGっと!プリキュア』親世代の絶大な人気からみる現代の大人の孤独と弱さ

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『HUGっと!プリキュア』親世代の絶大な人気からみる現代の大人の孤独と弱さ

娘が保育園で『プリキュア』の存在を知ったのが、ちょうど今回の記事に取り上げた『HUGっと!プリキュア』の始まる1か月くらい前でした。

僕がこの手のアニメを見るのは『セーラームーン』以来(と言ってもほとんど見たことはないレベル)なので、ハッキリ言って未知の世界だったし、この時すでに50人近い歴代のプリキュアが存在していました。

 

「噂には聞いていたけど、なんちゅー世界だ」というのが、アニメ放映を娘たちと見始めるまでの正直な印象でした。

しかし、43歳のおっさんが、ここからガチで毎週欠かさず観て、時には感動してウルウルしてしまうことさえありました。

 

実はこの時、僕は鬱状態だったんです。

そんな僕がやけに客観的に『HUGっと!プリキュア』(以下、はぐプリ)にハマってる自分を分析していたんですが、同時にハマってる親世代でもある大人との共通点を見つけたんです。

 

本記事では、鬱状態だった僕が気付いた『はぐプリ』にハマっていた現代の大人たちの孤独と弱さを分析してみました。

「個の時代」が生んだ大人たちの闇は、誰もが認識している以上に深いものなのかもしれません。

 

目次

『はぐプリ』が大人たちにも刺さっていた理由とは

『はぐプリ』が大人たちにも刺さっていた理由とは※画像引用元:東映アニメーション「HUGっと!プリキュア」公式サイト

「なんでもできる!なんでもなれる!輝く未来を抱きしめて!!」

「フレーフレー!みんなー! フレーフレー!わたしー!」

「私がなりたいのはこんな野乃はなじゃない」

 

未来や夢に向かって頑張る登場人物を敵味方問わず、応援する心を持つキュアエール(野乃はな)を中心にそれぞれが持つ未来への悩みや不安に立ち向かう側面もあるプリキュアシリーズ通算15作目にして13代目のプリキュアとなる『HUGっと!プリキュア』。

本来、悪者をやっつけるために、かわいい衣装に変身して戦う姿は、今も昔も変わらず、子どもたちの憧れですよね。

 

しかし、この『はぐプリ』は親世代、というか大人たちの支持を集めていることからもちょっと異色な雰囲気のあるシリーズになっています。

 

「登場人物の夢や未来を応援する」

 

これってアニメや漫画からすれば、そんなに珍しい設定ではないのですが、どうしてこんなにも大人たちの心をつかむことになったのでしょうか。

僕が勝手に分析した結果から推測すると、大きく2つの理由が浮かび上がってきます。

 

1つは、日曜日の朝8:30という時間帯。

サラリーマンの多くは休日で、日ごろの疲れや前日の夜更かしなどで、遅めの起床時間にちょうど当たる時間帯です。

 

コーヒーを飲んだり、朝ご飯をほおばりながら、テレビをつけるとたまたまやっていたアニメを観てるうちに、ハマってしまったというのがあり得そうな1つ目の理由です。

しかし、たまたまやっていただけでは、そんなにハマることはないでしょう。

 

そこで2つ目の理由となるのが、応援されたい欲求を満たしてくれる、もしくは登場人物に自分を重ねることで、毎日を頑張ろうとする心理からハマっていったというもの。

 

大人になると、応援することはあっても応援されるような立場にはなかなかなることはありませんよね。

なんというか、物語の主人公やキーパーソンのようなスポットライトを浴びる存在です。

 

自分の病気のことも踏まえて、少しリアルな例をあげますね。

僕は当時、鬱状態という、いわゆる「心の病」まっただ中だったので、自分自身の存在価値が、限りなく0に近い思考で毎日を過ごしていました。

 

ホント、奥さんや子どもたちがいなかったら、もうこの世にいなかったかもしれません。

しかし、自分に価値がないと思っていたからこそ、『はぐプリ』の世界観は純粋に自分の中に響くものがありました。

 

「自分も何かを頑張ることで応援される存在になるだろうか」

「応援されたい」

「誰かを応援できる存在になりたい」

 

本当はそんな単純な話ではないですが、実際のところ、「応援」というキーワードは僕の中でいい意味での変化をもたらしてくれました。

正直に言うと、「娘たちから応援されるようなパパでありたい」「奥さんを応援できるような頼られる存在でありたい」という願望が芽生えたんです。

 

人によっては馬鹿にされるような話ですが、僕にとってはとても素敵な出会いでした。

 

『はぐプリ』にハマる応援されることのない孤独な大人たち

『はぐプリ』にハマる応援されることのない孤独な大人たち

 

人は年を重ねていくうちに、経験の中から傷ついたり、痛い思いをしなくて済むように回避したり、我慢する術を自然に備えていきます。

でも、傷ついたり、つらい思いに慣れているわけではないんですよね。

 

でも、いざズタボロな精神状態になったときに「はぐプリ」のヒロインのように「フレ、フレ、○○!」って応援してくれる存在がいるのといないのとでは全然違います。

 

しかし、残念なことに現代社会では、個の結びつきがかなり希薄なうえに、コミュニケーションが苦手な人も非常に多い世の中です。

簡単に言えば、一人でどうにか乗り切らなきゃいけない、孤独な人が多いんです。

 

「はぐプリ」にハマった人は、「フレ、フレ、わたし」と自分への応援をしたことがきっとあるはず。

 

20歳女性の7割強、男性では8割弱の人が彼氏・彼女という恋人の存在がいないような時代で、心を許す、相手を信じるということさえ難しく考えちゃう世の中って少し寂しい気もします。

また、「ワンオペ」という言葉が当たり前のように使われているように、パートナーがいるのに一人で育児や家事、そして仕事をこなしている女性が多いのもよく考えたら異常なんですよ。

 

なんでもいいから応援すればいいというわけではなく、自分を大切に思ってくれてる人が、素直に応援してくれてる環境があまりに乏しい枯れたような時代だと錯覚してしまいそうです。

 

「はぐプリ」ヒロインのはなちゃんが、どんなに絶望的な窮地に立たされても、自分を信じて、自分を応援する姿を現実に重ねていた人は少ないのではないでしょうか。

 

『はぐプリ』は歴代のプリキュアの中でも異色のシリーズ!?

『はぐプリ』は歴代のプリキュアの中でも異色のシリーズ!?

 

はじめてプリキュアというものの最初の数話を見た時は、「最近の子どもは難しい話のアニメを見てるんだな~」って思いました。

なんというか、友情や愛情がちょっと特殊なヒロインたちの心の葛藤が、もはや連ドラレベルのような気さえしたんです。

 

歴代プリキュアシリーズの中でも、「はぐたん」という赤ちゃんがキーキャラクターになっていたり、最終話に出産シーンがあったことで、世の中のママに向けたメッセージ色が強いのも話題になっていましたよね。

完結している話なのでネタバレしますが、敵の親玉がヒロインの未来の旦那さんという設定も、最終話付近になってくると涙なしでは見られなくなってきます。

 

3歳と5歳の娘たちにはちょっと難しい設定のようでしたが(笑)。

 

赤ちゃんの成長を感じながら、登場する小中学生が自分たちの心の成長を感じているあたり、少なくとも友情や勧善懲悪だけでない「ヒロインもの」だったように思えます。

敵側の生い立ちや生活環境、考え方まで救ってしまうあたりが、大人でもワクワクしちゃいますもん。

 

道徳的な部分では、「はぐプリ」の後継である「スター☆トゥインクルプリキュア」でも描かれていますが、テーマが違いすぎて、本来の子ども向けなアニメ感が強く感じてしまうほどでした。

他のプリキュアシリーズをコンプリートしていないのではっきりとは言えませんが、「はぐプリ」にはどこか現代の大人へのメッセージも込められているような気がしてなりません。

 

まとめ

「はぐプリ」はプリキュアシリーズ15周年の節目ということもあり、映画では歴代のプリキュアファンもかなり熱狂した作品になりました。

初期のプリキュアを見ていた女の子たちは、もうすっかり大人になって、社会人として働いていたり、ママになっている人もいます。

 

我が家では、たまたま保育園で長女のお友達がプリキュアのことを教えてくれた時期に、僕はたまたま鬱状態になってしまい、娘たちと一緒に毎週日曜日にテレビを観るという不思議な1年でした。

我ながら、なにが縁で生きながらえてるのか不思議な感覚です。

 

この記事では、現代の大人の孤独や弱さを少しだけチラ見してみましたが、鬱で苦しむ人が珍しくないくらい、危うい世の中なのはとても寂しいことです。

みんなで手を取り合いましょう!なんていう気はさらさらありません。

 

でも、「フレ、フレ、わたし」って自分を応援しながら頑張ってる人が近くにいないか、少し周りのことを気にかけることができる人がいる世の中だったらいいなと素直に思います。

 

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