ワインが健康や美容にいいという話題は、健康番組や美容系記事などでも、よく取り上げられていますよね。
しかし、実際のところ、本当に健康や美容に効果があるのか、疑問に思ったことはありませんか?
実際、僕も「毎日赤ワインを、ボトル1本飲まないと健康に効果がない」という、謎のうわさを聞いたことがあります。
そこで本記事では、ワインと健康や美容との関係について、また日本人はワインをどのくらい飲むのが適量なのかを詳しく解説したいと思います。
目次
赤ワインは健康や美容に効果があるって本当?
赤ワインに関する健康への効果が、マスコミなどによって取り上げられ、空前のワインブームが起こったことがあります。
「フランス人は他の国に比べて喫煙率が高く、バターや肉などの動物性脂肪の摂取量が多いのに、心疾患による死亡率が低い」
この要因に赤ワインに含まれるポリフェノールが大きく関係しているという報道でした。
今から十数年以上も前のことですが、いまでも赤ワインは健康にいいという部分だけが一人歩きをしていますよね。
しかし、その内容は意外と知られていないことが多いんです。
それでは、まず赤ワインの健康に対する効果を解説していきましょう。
赤ワインに多く含まれるポリフェノールがポイント!
ポリフェノールは、赤ワインだけでなくお茶などにも多く含まれていますが、緑茶と比べても6倍ものポリフェノールが赤ワインには含まれています。
ポリフェノールはもともと5,000以上の種類があり、赤ワインに含まれているものは主にアントシアニン、リストラベール、タンニンなどがあります。
ちょっとだけ、聞いたことのある単語が出てきた、という人もいるのではないでしょうか?
では、赤ワインでなくてもこの成分が入ってればいいんじゃないか、と思うかもしれませんが、実は赤ワインに含まれているポリフェノールは体に吸収されやすいという特徴もあるんですね。
原料となるブドウの皮や、種にポリフェノールは多く含まれているので、赤ワインのように、皮や種ごと発酵させると多くのポリフェノールがそのままワインの中へと残るわけです。
ちなみに、白ワインは皮や種を取り除いてから発酵させるので、赤ワインほど多くのポリフェノールは含まれていません。
-
赤ワインの作り方をわかりやすく解説します!【ワイン入門編】
こんな方におすすめの記事です 赤ワインってどんな風に作られてるの? 赤ワインの「ボディ」ってどんな意味? 赤ワインを美味しく飲みたい ワインと聞くと、まず思い浮かぶのは「赤ワイン」ではな ...
続きを見る
-
白ワインの作り方をわかりやすく解説!赤ワインとどんなところが違う?【ワイン入門編】
こんな方におすすめの記事です 白ワインはどうやって作られているの? 白ワインの「辛口」って辛いの? 白ワインを美味しく飲む方法を知りたい 白ワインってどんな風に作れば、あの美しい薄い緑の ...
続きを見る
ポリフェノールの健康や美容への効果
赤ワインに多く含まれているポリフェノールが、健康に大きく影響しているという研究結果が出ていますが、なぜポリフェノールは体にいいのでしょうか?
ポリフェノールの大きな効果の一つに、抗酸化作用というものがあります。
抗酸化作用とはどんな作用なのかというと、簡単にいえばお肌のシミや老化の原因とも言われている活性酸素を除去してくれるというものです。
健康診断や人間ドックなどの血液検査で、よくLDL(悪玉コレステロール)の数値を見ますが、悪玉コレステロールは動脈硬化の原因になってします。
動脈硬化は、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患を招く症状なのですが、ポリフェノールの抗酸化作用によって悪玉コレステロールを抑えてくれるので、動脈硬化への進行を遅らせてくれるんです。
つまり、ポリフェノールの効果により、心筋梗塞や狭心症の予防になっているんですね。
また、ポリフェノールの抗酸化作用に関する副産物として、血行の改善によりお肌のハリや改善、シミ・しわへの効果があるとされているので、女子の永遠のテーマ「アンチエイジング」に効果があるといわれています。
そして、さらにもう一つ、ブドウの皮部分に含まれているリストラベールは、脳の機能を助けて記憶力の回復やアルツハイマーなどの認知症を予防する効果があるそうです。
ワインの香りにも注目!
ワインを楽しむ要素として、赤ワインの香り(アロマ)があります。
実は、このワインの香りには、リラックス効果があるとされていて、精神的にもいい作用が期待できます。
日常のイライラや睡眠不足などのストレス対策は、お肌の改善にも大きくかかわってくるので、なかなか無視できない効果ですよね。
大きい意味でとらえると、抑うつ効果もあるので、精神的に落ち着きたいときには、試してみてもいいかもしれません。
白ワインは健康や美容に効果があるって本当?
白ワインは赤ワインに比べると、ポリフェノールの効果は少ないかもしれませんが、白ワインには白ワインの健康や美容への効果があります。
まず、白ワインの大きな特徴としては、殺菌作用が注目されています。
白ワインには、酒石酸やリンゴ酸、乳酸といった有機酸が含まれていますが、有機酸は腸内の悪玉菌を殺菌し、善玉菌を残す働きがあるので腸内環境の改善に役立つといえます。
ちなみに有機酸は、フレッシュな白ワインに多く含まれています。
この殺菌効果は、実は料理との相性にも理がかなっていて、白ワインは魚との相性がいいといわれていますが、生のお魚に潜んでいる大腸菌やサルモネラ菌の抑制に効果があるんです。
先人の知恵というやつですね。
また、腸内環境が改善されることにより、便秘の改善が期待され、肌荒れやニキビへの効果も考えられるようです。
つまり、白ワインは美肌効果が期待できるということですね。
また、体内の老廃物を排出するのに効果のある、カリウムも多く含んでいるので、デトックス効果も期待でき、新陳代謝の活性化にもつながります。
メモ
白ワインにはカリウムが多く含まれているといわれていますが、成分的には赤ワインのほうがカリウム含有量は多かったりします。
- 白ワインのカリウム含有量…60㎖(100g当たり)
- 赤ワインのカリウム含有量…110㎖(100g当たり)
つまり、赤ワインにもデトックス効果があるということですね。
ちなみに、カリウムはむくみの予防にも効果があるんですよ。
殺菌作用による腸内環境の改善、カリウムによるデトックス効果や新陳代謝の活性化など、白ワインには主に体内環境の改善による健康や美容、美肌に効果が見込めるようですね。
もう1点、ダイエット時に不足しがちなカルシウムやマグネシウムも多く含まれているので、無茶な食事療法によるダイエットよりは適度な量の白ワインのほうが有効かもしれません。
ワインの適量はどのくらい?
厚生労働省が推奨している、健康21「節度ある適度な飲酒」では、1日平均純アルコール約20g程度が適量としています。
参考サイト:厚生労働省 健康21(アルコール)
これは個人差はもちろんありますが、様々な研究結果をもとにしているもので、純アルコール約20gくらいまでなら健康に害はないですよというものです。
ワインでいえば、14度までのものがほとんどなので、換算すると約180㎖くらいが、健康に害を及ぼさない適量といえます。
約180㎖といえば、ワイングラスでだいたい2杯くらいですね。
しかし、場の雰囲気や美味しい料理で飲みすぎてしまうこともありますよね。
そんなときは、1週間の総量で調整をするといいでしょう。
ただし、休肝日はやはり週に2回は設けたほうが良いようですよ。
ちなみに、この週2回は5日連続で飲んで2日休むという意味ではなく、2~3日飲んだら1日は肝臓を休ませましょうという意味です。
せっかく健康や美容にいいとされるワインなのに、飲みすぎることで体にダメージを与えてしまうのは、結局ワインを楽しめなくなってしまうことに繋がってしまいます。
気を付けるように、意識したほうがいいですね。
あと、アルコールの過剰な摂取は食道がんや大腸がん、脳卒中のリスクが高まってしまいます。
何事も適量が一番ですね。
-
ワインを飲むと太るの!?カロリーや糖質ってどのくらいあるのか調べてみました!
こんな方におすすめの記事です ワインのカロリーや糖質を知りたい ワインの太りにくい飲み方ってあるの? お酒が飲めるようになると、よほど太らない体質の人でもない限り、気になるのがウエストで ...
続きを見る
今回の記事まとめ
▼赤ワインの健康や美容への効果
- ポリフェノールによる抗酸化作用
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や狭心症の予防
- お肌のハリやしわ、シミへの効果
- アンチエイジング
- 認知症の予防
- アロマ(香り)によるリラックス効果
▼白ワインの健康や美容への効果
- 殺菌作用による腸内環境の改善
- むくみの予防
- デトックス効果
- 体内環境の改善による美肌への効果
- ダイエットへの効果
- 適量を守って飲むことが大事
健康ブームなどによって、年に何度か小さなワインブームの波がやってきますが、甘味果実酒や甘口のワインは飲みやすい分、糖質が多く含まれています。
健康を意識してワインを飲むのであれば、通常のワインを選んだほうがいいといえるでしょう。
ただ、もし美味しいと思えないのに飲み続けるのは、なかなかつらい作業になるだけです。
ワインを飲み慣れていないのであれば、なおさら甘口のほうが確かに飲みやすいですし、甘口のワインはアルコール度数も低めなものが多いので、他の食事でバランスを取るのも一つの方法といえます。
せっかくワインの魅力を知ったのであれば、出来るだけ適量を守って、ワインを長く楽しめるようにしていきたいですね。
以上、今回はワインと健康や美容に関する記事でした。