こんな方におすすめの記事です
- ワインのテイスティングってどうやるの?
- テイスティングって何をやってるの?
ワインのテイスティングって、とっても専門的で難しそうなイメージありませんか。
「ウーム、、、これは何年物のワインでフランスの○○地方△△村の畑でつくられたもので、ほにゃららのアロマが心地よくほど良いタンニンもまた素晴らしい……」
なんて、マンガやドラマの風景が頭の中で再生されていませんか。
確かに、ワインのテイスティングは香りや色、少量のワインから、ワインのルーツを読み解いたりすることもあります。
ソムリエやワイン愛好家の方たちにとっては、自分たちのワインに対する愛と培ってきた経験、そしてそれを言葉にできるセンスや引き出しの多さを披露できる機会でもあるんですね。
本来のワインのテイスティングの意図は、簡単にいうとワインの分析です。
しかも、ある決まった手順を知っていれば、誰でもワインのテイスティングが出来るようになります。
もちろん、ワインとの付き合いの長さや知識量により、精度というか、表現の幅は変わってきますけどね。
そこで本記事では、知ってそうで意外と知られていない、ワインのテイスティングについてわかりやすく解説していきます。
ポイントは「難しく考えない」ことです。
目次
ワインのテイスティングとは?
ワインのテイスティングの目的は、ヴィンテージや銘柄をあてるゲームのような感覚のものと思われがちですが、実際は次のような目的のもとで行われています。
ポイント
- 安全に飲めるワインかどうかの確認
- 対象のワインがどんなワインなのかを知るための方法
- ワインの味わいや特徴を自分以外の人に伝える
コルク栓の破損や、保存状態の悪さによって、ワインが劣化したりしていないか、これから飲むワインは安全に飲むことができるのか。
そして、そのワインは若いのか、熟成が進んでいるものなのか、はたまたどんな状態でどんな香りや味わいなのか。
そのワインの特徴を、自分以外の人にどのような言葉でなら、より正確に伝わるのか。
といった具合に、ワインのことを分析していくんですね。
もちろん、より詳しく正確に伝えようと思えば、相応の専門知識の勉強と相応の量(種類)のワインを飲んで嗅覚や味覚をどんどんレベルアップさせなければなりません。
しかし、自分以外の誰かに、自分が飲んで美味しかったワインを、ただ「美味しい」じゃなくて、「どんなふうに美味しいのか」伝えられれば、僕はOKだと思います。
大丈夫、ワインは飲めば飲むほど、いろいろな発見が出来るようになる不思議な飲み物です。
味や香りのたとえは、あなたの知っているものの中から選んだ言葉で伝えればいいし、経験値がたまってレベルが上がれば、今まで気づかなかった味や香りも発見できるようになります。
友人やパートナーと一緒に、どんな香りや味がするか、わかりやすい<「例え」を探しながらテイスティングしてみるのも楽しいですよ。
それでは、ワインのテイスティングの方法を解説していきましょう。
ワインのテイスティングの手順
ワインのテイスティングの大まかな流れは、ざっくりとこんな感じです。
▼ワインテイスティングの手順
- グラスに注いだワインをまずは目で見る
- ワインの香りをチェックする
- ワインを味わう
それでは、一つずつ見ていきましょう。
グラスに注いだワインをまずは目で見る
ワインのテイスティングの最初の手順は、ワインを見る、つまりワインの見た目を視覚で確認することから始まります。
ちなみに、テイスティングの際はワインをグラスに注ぐときは、なみなみとグラスいっぱいに注がないように、少量にしておきましょう。
▼ワインを見てわかること
- ワインの年齢(熟成期間)
- ブドウの品種
- 保存状態
- 醸造法…など
ざっくりとワインを見てわかることを書きだしましたが、もちろんこれはそれなりに勉強したり、様々な種類のワインを飲んでいくうちに身に付いていくものです。
最初は、たとえば赤ワインであれば色が鮮やかな明るい色か、それとも濃い茶色がかった赤なのかといった具合に色の濃さを見るとします。
色が明るければ若いワイン、もしくはタンニン(渋み成分)が少なめのスッキリタイプ、濃ければ熟成が進んでいるワイン、もしくはタンニンの多いどっしりタイプといった具合に、ワインの特徴をざっくりと知ることができます。
そこで、色の鮮やかなワインはどんなブドウ品種なのか?
それは、あなた好みのワインだったかどうかなどを知っていくうちに、自然とワインに詳しくなっていきます。
ちなみに、ワインテイスティングの見た目でチェックするポイントは、この4つです。
ポイント
- 色の濃さ(ブドウ品種やワインの年齢を知る手がかり)
- 輝き(ワインの品質を知る手がかり)
- 透明度(澱の確認や濾過の有無、ワインの劣化を知る手がかり)
- 粘度(アルコールや糖度を知る手掛かり)
これらのワインの見た目のチェックをするときは、バックを白い背景にすることでよりわかりやすくなります。
また、欲を言えば蛍光灯などの電灯の下は、電球などの種類によって色が違うため、自然光のもとでチェックするのが理想とされています。
まぁ、自然光に関しては、自宅やレストランなどでは難しい条件なので、バックを白いもの(壁や机、テーブルクロス、ハンカチやナプキンなど)にしておくことを気にするようにはしておいてください。
ちなみに、グラスに入れたワインを見るときのコツは、特に赤ワインの場合、グラスを傾けてグラス内のワインの面積を広く浅くすることで、よりチェックがしやすくなります。
また、傾けたグラスを戻すときに、グラス内を伝うワインを見ると、サラリとしているか少し粘り気があるかがわかります。
アルコール度数が高かったり糖度が高めのワインだと、よりねっとりとグラス内を伝うようになります。
スパークリングワインの場合は、泡のきめ細かさを見るよりは、どれだけ継続的に泡が出続けているかをチェックするといいですよ。
よいスパークリングワインほど、永遠と続くんじゃないかと思うほど、泡がグラスの底から立ち昇ります。
こんなふうに、飲み始める前にワインの見た目をチェックする癖をつけておくと、見た目と飲んだ時のワインの味わいが結び付きやすくなるので癖にしておくといいですね。
ワインの香りをチェックする
ワインの見た目のチェックが終わったら、次はワインの命ともいえる、香りのチェックをしてみましょう。
ワインの香りをチェックするときの手順は、こんな感じです。
▼ワインの香りのチェックの手順
- グラスに注いだ状態で鼻をグラスに近づけて、何もせず最初の香りの印象を感じてみる
- このときあまり長い時、間くんくんしない(嗅覚が疲れないように)
- 次に、適度にワインを空気に触れされる(スワリング)
- 2度目の香りのチェックを、今度は少しだけ長くしてみる
スワリングというのは、よくテーブルの上にグラスを置いて、ワイングラスの台座(一番下の広がっている部分)を手で押さえてくるくる回してるアレです。
グラスを回すことで、グラス内のワインを適度に空気に触れさせるという作業なのですが、酸化しすぎると元も子もないので、あまりくるくる回しすぎないようにしましょう。
メモ
スワリングするときは右利きの人は必ず反時計回りに回すようにしてください。誤って中のワインが飛び散った時に反時計回りだと他の人にかかるリスクを低くすることができます。
ちなみに左利きの人は時計回りに回してくださいね。
ワインのブドウ品種の中には、酸化に弱いものもあるので、スワリング自体しないほうがいいと言われるものもあります。
そこで、たとえばソーヴィニヨン・ブランのようなワインには、以下のような方法でスワリングのような効果を得たほうがいいですし、他のワインでもこぼしにくいのでおすすめです。
▼スワリングと同じような効果が得られる方法
- ワインをグラスに注ぎます
- 利き手でないほうの手で、ワイングラスの脚(細長い部分)に手を添えます
- 中のワインが広く浅くなるように寝かせたまま、利き手で台座を持ってくるりと回します
- このとき中のワインが、薄くグラス内の壁面にひろがるようにするのが理想です
- イメージとしては、ハケで絵具をサーッと伸ばすような感じです
ワインの香り(アロマ)は数百種類あると言われていますが、それがどんな香りにたとえられるかで、自分以外の人にその魅力を伝えることができます。
メモ
ワインの香りのことを「アロマ」といいます。また、熟成していくうちに得られる香りのことを「ブーケ」といいます。
ライムやレモン、オレンジやグレープフルーツのような柑橘系の香りや、イチゴやラズベリーなどのベリー系、バラやスミレなどの花の香りがするものもあります。
なんとなく爽やかな香りならイメージがつきやすいですが、中にはワイルドな獣のような香りがするものがあったり、鉛筆の芯みたいな香りのするものもあったりと、そのたとえのバリエーションには驚かされます。
たとえば、スパイシーな香りとよく書いてあるけどどんな香り?と思った人は、黒コショウの粒をかいでみると「あ~」と納得しますよ。
ワインの香りは、どんな香りがするのか頑張ってクンクン嗅いでみても、自分のなかに似たような香りを嗅いだことのある経験がないとなかなか言葉になりません。
逆にいえば、難しく考えずにワインの香りを素直に、「あ~、これ、あれだ、あの香りがする」みたいにとにかく口に出してみることです。
別に誰かに評価されるものでもないので、合ってるとか間違ってるとかは気にすることはありません。
お手本のような感想ばかりだと、つまらないですしね。
もし香りが明らかにおかしいとき(ものすごく酸っぱいにおいがしたり、腐敗臭がするとき)は、すぐに栓を締め直して購入店に相談してください。
購入後の保存状態に問題がない限り、交換に応じてもらえます。
ワインを味わう
それでは、実際にワインを味わってみましょう。
ワインの味わいは、次の5つから成り立っています。
▼ワインの味わいの要素
- 酸味(シャープさ、まろやかさなど、特に白ワインにとって重要な要素)
- 甘味(わかりやすい甘さから辛口の中にあるほんのりとした甘さなど)
- 渋味(特に赤ワインにとって重要な要素)
- 果実感(フルーティーさや果実味の凝縮感)
- アルコール度(度数が高いほどガッチリとしていてコクや甘味を感じる)
余談ですが、ワインのフルーティーさを食用のブドウの果汁感だと思ってる人がたまにいますが、ワイン用のブドウ品種はまた違った味わいなので、「全然フルーティーじゃないじゃん!」と残念な気持ちにならないでくださいね。
それでは、ワインテイスティングの味わう部分を始めますが、最初の一口目はほんの少量を口に含むようにしましょう。
口に含んだワインを、舌や口の中で、まずはしっかりと印象をつかんでください。
メモ
ワインを口に含んだ時の第一印象のことを「アタック」といいます。
ポイントは、ワインを舌全体で感じるようにすることです。
舌は感じる味覚が場所によって違うので、ワインの特徴を知るには、舌全体を包み込むように口に含むようにしてください。
次に、ワインを飲みこむ前に口に含んだ状態で、今度は口をすぼめて空気を吸い込む、もしくはワインを軽く噛んでみてください。
こうすることで、口の奥から鼻へと抜ける香りを確かめることが出来ます。
口をすぼめるときに、慣れてないとむせることがあるので、ワインを軽く噛むような動作を行うほうがいいかもしれませんね。
このように、ワインの最初の一口目を少量、口に含んで舌全体で味を分析することは、ワインのことをよく知るためにも、とってもいいので習慣にしておくといいですね。
特に赤ワインは、二口目、三口目と表情がどんどん変わっていくこともあるので、最初の印象をしっかり舌に覚えさせておくのは、比較するうえでもとってもいいことだと思います。
また、口の中にどれだけワインの余韻が残るのかも気にしてみてください。
ワインの風味が、口の中に残る時間が5秒以内なら短く、12秒以上続くと長いとされています。
ちなみに、白ワインは酸味がポイントですし、赤ワインは渋みがポイントになります。
酸味は口に含んでいるときに、舌の上にじわ~っと唾液が出てきますし、渋味は口の中がキューッと引き締まるような感覚になります。
ワインのテイスティングの一連の流れは以上ですが、あくまで美味しいとか不味いとかを判断するものではないことを理解しておいてくださいね。
これから飲むワインをグラスに注いだ時に、色はおかしくないか?何かふよふよ浮いてないか、変な匂いはしていないか、味はおかしくないかをチェックすることが一番の目的です。
味の好みは人それぞれ違うので、まずはこれからワインを楽しむぞという状態を作りましょう。
ワインのテイスティングをする時の注意ポイント
ここから少しだけ細かいことを書きますが、ワイン本来の味わいをテイスティングするには必要なことになります。
もちろん自宅で飲むときや、友人とワイワイガヤガヤ楽しく飲む時は、必ず厳守しなくてもいいです。
しかし、ちょっといいワインを手に入れたときなどにテイスティングをするのであれば、出来るだけ以下の注意ポイントには気をつけるようにしましょう。
▼注意したほうがいいポイント
- 室温は20度前後、湿度は60~70%がベター
- 静かで異臭のない部屋で行う
- 空腹感があるほうが、味覚は敏感になるので食事前が最適
- ワインの香りの妨げになるので飲食後や喫煙後、歯磨き後は避ける
- 同様に香辛料の強い食べ物は、テイスティング前に食べないほうが良い
- 鼻や舌の状態がバッチリなほうがいいので、風邪など体調の悪いときは控える
- 匂いのきつい化粧品や香水、整髪料は控える
また、複数のワインをテイスティングするときは、次のような順番で行うとわかりやすいですよ。
▼複数のワインをテイスティングするときの順番
- 軽いワイン→重いワイン
- 若いワイン→熟成されたワイン
- 辛口のワイン→甘口のワイン
- 白ワイン→赤ワイン
ちなみに、この順番はテイスティングに限らず、複数のワインを飲む時にも応用可能な順番です。
今回の記事のまとめ
今回の記事では、ワインのテイスティングについて、さっくりと解説してみました。
もちろん、もっと細かく詳しく書かなければいけないのかもしれませんが、今回の記事に書かれていることがなんとなく、把握できれば特別困ることはないでしょう。
ワインのテイスティング全般に言えることですが、はじめのうちは特に難しく考えすぎないことが重要です。
難しく考えたり、誰かのコメントを意識しすぎると、そこに引っ張られてしまって、自分なりの解釈じゃなくなってしまいます。
簡単にいうと、あなたの直感を素直に楽しんでくださいね。
テイスティングの目的の一つに、ワインの味わいを共有するということがあります。
味の好みや味覚は人それぞれ違いますが、だからこそいろいろな伝え方が出来ますよね。
正解、不正解がないのもいいところです。
ワインはただ「美味しい」「美味しくない」で終わらないのも、魅力の一つではないかと僕は思います。
それならば、存分に楽しみましょう!
以上、今回はワイン初心者さんでも出来るワインテイスティングの方法でした。
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