白ワイン用の主要ブドウ品種8個とその特徴をわかりやすく解説します!【ワイン入門編】

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白ワイン用の主要ブドウ品種8個とその特徴をわかりやすく解説します!【ワイン入門編】

こんな方におすすめの記事です

  • 白ワイン用のブドウってどんなのがあるの?
  • 原料のブドウによって味は違うの?

 

世界中で、ワインづくりに適していると言われているブドウ品種は約100種類あります。

 

「100種類も覚えるなんて無理無理!」

なんて声が聞こえてきそうですが、もちろんそんな無理をしなくてもOK!っていうか大変です(笑)

 

ワインの品種は、世界的にメジャーなものや、スーパーなどで比較的よく見かけるものを、まずはざっくり知ってれば大丈夫です。

ワインのブドウ品種の名前が、少しわかるようになるだけでも、なんだかワイン選びが楽しくなってきちゃいます。

 

お気に入りの味のワインが、どんなブドウ品種で、どこの産地かがわかれば、次に購入するときの基準にもなりますよ。

 

目次

白ワイン用の主な白ブドウ品種とその特徴とは?

白ワイン用の主な白ブドウ品種とその特徴とは?

 

今回の記事では、比較的スーパーなどでよく見かける、ブドウ品種8種類を解説してみますので、1つ1つ丸暗記しようとか思わないでいいので、ざっくり目を通してください。

  1. シャルドネ
  2. ソーヴィニヨン・ブラン
  3. リースリング
  4. ピノ・グリ
  5. セミヨン
  6. ゲヴュルツトラミネール
  7. ミュスカ
  8. 甲州

 

シャルドネ

シャルドネはフランスのブルゴーニュ地方が原産で、そんなにワインに詳しくない人でも、聞いたことのある品種名だと思います。

「白ワインといえばシャルドネ」と連想できるくらい、白ワイン用のブドウ品種では世界的なスーパーアイドルといってもいいでしょう。

 

シャルドネの大きな特徴は、産地の気候や土壌に非常になじみやすく、その土地のカラーを発揮するので、同じシャルドネでもその味わいや香りはさまざまなんです。

ちょっと寒い地域では、キリッとした辛口の白ワインになりますが、あったかい地域では樽を使ってつくると南国っぽい、ほんのり甘さを感じるようなフルーツの香りがしたりします。

 

なにせ世界的に栽培・醸造されていることもあり、その味の振り幅も大きいので世界的にファンが多く、愛されているブドウ品種といえます。

ちなみに、裏を返せば”推し”の派閥も結構あったりします(笑)

メモ

シャルドネが世界的に栽培されているのは、病気やカビに強いという特徴もあります。あと、ほかの品種よりも早く収穫できる早生(わせ)品種でもあります。

 

ソーヴィニヨン・ブラン

代表的なソーヴィニヨン・ブランの産地は、フランスのボルドー地方やロワール地方、チリやオーストラリアです。

が、個人的に超イチ押しなのは、やはりニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランです!

 

ワイン好きならベタな情報かもしれませんが、個人的には大好きな産地なので、まだソーヴィニヨン・ブラン種を飲んだことがなければぜひニュージーランド産をお試しください。

 

ソーヴィニヨン・ブランの魅力は、最初にキュッとくる強めの酸味とほんのり感じる甘さ、そして刈りたての芝生のような、はたまたピーマンや青ネギのような青臭い香りです。

青臭いというと、美味しくなさそうな印象を持たれるかもしれませんが、慣れてくるとグレープフルーツやライム、レモンのような柑橘系の香りを見つけることができます。

 

とにかく超爽やかな白ワインで、飲みやすい品種です。

メモ

フランスのロワール地方では、「ブラン・ヒュメ」と呼ばれています。

 

リースリング

リースリングは、ドイツを代表するブドウ品種です。

その特徴は、爽やかなキレのある辛口から、貴腐ワインやアイスワインなどの甘口ワインまでつくられていて、白ワインの中でも長期熟成に耐えられるほどの豊かな酸を持っています。

 

ちなみに、貴腐ワインやアイスワインなどの極甘口といわれているワインは、「甘口のワイン」の基準にしていけないような別物のワインだと思ってください。

とっっっっっても、手間と時間と労力がかかっているのに、生産数はかなり少なく、そのため超がつくほど高価なワインですが、記念日ワインというよりは、大切な人とこの特別なワインを飲むことのできる時間を、心地よく楽しんでほしいなと思います。

 

余談ですがドイツのワインの格付けは糖度が高いほど高品質、つまりランクが上になります。

逆にいえば、辛口のワインはランクが低くなってしまいますが、ドイツの辛口白ワインは近年ファンが急増中なので、ドイツといえば甘口の白ワインという認識はもはや古いかもしれませんね。

 

ピノ・グリ

ピノ・グリは、赤ワイン用の黒ブドウ品種でも紹介している「ピノ・ノワール」の突然変異で生まれたブドウなんです。

そのせいか白ブドウというよりは、ピンクっぽい色をしたブドウで、作られている白ワインも少し色の濃いものが多いです。

メモ

イタリアでは、「ピノ・グリージョ」と呼ばれています。

 

ピノ・グリの特徴は、洋ナシのようなはちみつのような香りで、辛口のコクのある白ワインができます。

ざっくり言えば、フランスでは重厚な白ワイン、イタリアではスッキリタイプの白ワインになります。

 

セミヨン

フランス・ボルドーの白といえば、このセミヨンです。

セミヨン単体では、香りや酸味がおとなしいので、よく個性的な香りと酸味が持ち味のソーヴィニヨン・ブランとブレンドされます。

 

辛口もありますが、どちらかといえば甘口のワインのほうが有名ですね。

この一見地味めな品種であるセミヨンですが、実は長期熟成にとっても強い子でもあります。

 

単体でも10年以上熟成させると、とってもコクのある素晴らしい味わいの白ワインへと変身します。

ちなみに、さきほどリースリングのところでも出てきた、極甘口のワイン「貴腐ワイン」にもなるブドウ品種でもあります。

 

ゲヴュルツトラミネール

この舌を噛みそうな名前のゲヴュルツトラミネールという品種は、非常に独特の香りをしています。

どのくらい独特かといいますと、ワイン歴の浅い人でも、比較的わかりやすいライチやパイナップル、バラといった華やかな香りがします。

 

酸味は比較的少ないですが、初めて口に含んだ時の印象もなかなかパンチの効いた、しばらくの間は脳裏に残りそうな味わいも特徴的です。

ちょっと寒いような土地で栽培されており、フランスのアルザス地方は有名な産地です。

 

ミュスカ

ミュスカって「Muscut」と書くのですが、つづりをよーく見ると、どんなブドウかイメージがつきませんか?

そう!マスカット系のブドウ品種なんです。

 

甘口のワインに使われることが多く、その香りもマスカットやメロンのような甘~い香りが特徴的です。

フランスのアルザス地方では、辛口の白ワインになることが多い品種ですが、イタリアでは「モスカート・ビアンコ」と呼ばれる、主に甘口のスパークリングワインにもなります。

 

また、酒精強化ワインに使われることも多い品種です。

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メモ

「ミュスカ」「ミュスカデ」「ミュスカデル」の3つの名前のブドウ品種は、違うブドウ品種になります。よく似ていますし、ドラ〇エの呪文のようにも見えますが別物なんです。

 

甲州

甲州は日本の代表的な品種で、実は1000年以上もの歴史を持つブドウ品種でもあります。

日本ワインに注目が集まっている中、国内外で非常に赤マル急上昇中の人気品種でもあります。

 

よくラベルにも「甲州」と書かれているものを、見かけるようになりました。

 

甲州は、爽やかな香りほのかな酸味で、飲みやすい白ワインになります。

なんといっても和食に合わせやすいので、繊細な味の料理との組み合わせもぜひ試してほしいですね。

 

メモ

2018年10月に施行された【日本ワイン】の表記には、日本でつくられたワインのブランド価値を高めるとともに、しっかり守っていこうという強い意志のもと定められた定義です。

  • 日本で栽培されたブドウを使用し、国内でつくられたワインでないと国産ワインは名乗れない
  • 産地に関してはその地域で育てたブドウを85%以上使用しなければ、ラベルに産地名を表記できない

といったように、他国のワイン法のような厳しいルールが定義づけられました。【国産ワイン】も要チェックですよ!

 

ブドウの品種名だけに固執すると失敗してしまう例

ブドウの品種名だけに固執すると失敗してしまう例

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赤ワインでもそうなんですが、ブドウ品種の名前だけを覚えてワイン選びをすると、思わぬ失敗を招くことがあります。

白ワインの場合、シャルドネがいい例で、あたたかいチリのような国でつくられているシャルドネと、フランスの北部のような涼しい地域でつくられたシャルドネでは、味わいも香りもけっこう違ってきます。

飲み比べてみるとよくわかるのですが、あたたかい地域でつくられたブドウを使ったワインは糖度が高く、寒い地域でつくられたブドウは酸味の効いたキリッとしたワインになる傾向にあります。

 

また、複数のブドウ品種をブレンドされているワインの場合、その比率により、もちろん味わいも香りも変わってきますし、なによりラベルには、主要なブドウ品種しか書かれていないケースもあります。

飲んでみて「あ、これウマッ!」って思うようなワインを見つけたときは、ブドウ品種だけでなく、産地などもチェックしておくようにしましょう。

 

また、Instagramなどに飲んだワインのラベルと感想を記録しておくと、ソムリエやワインエキスパートなどのプロがいるお店で、「このワインが美味しかったんですが、おすすめありますか?」と画像を見せるだけでも、かなり選ぶ際の精度が高くなります。

専門用語やワインの銘柄など、むずかしいことはあまり覚えたくない人には、特におすすめです。

 

今回の記事まとめ

今回の記事では、白ワインのメジャーな品種を解説しましたが、ワインを意識して飲み始めたころは、品種名をがっちり覚えられなくてもざっくりとした認識で十分です。

というのも失敗例にもあるように、品種名に固定観念もって飲んでしまうと、そこに引っ張られてしまいますし、なによりワインは実際飲んでみないとその味わいや香りはわからない飲み物です。

 

味わいや香りの表現の仕方は、大枠では共通していても、それぞれのたとえが違ってくるのが、ワインの面白いところでもありますし、十人が飲んで十人が同じ感想をいうような1つの正解というものもありません。

 

僕が大事にしてほしいなと思うのは、自分が飲んで美味しいと思えることに自信を持ってほしいということです。

ワインはホント、同じ白ワインでも好き嫌いのわかれる世界なので、他人の評価は気にしないほうがベターですよ。

 

以上、今回は白ワインの品種についての記事でした。

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