ここ数年で、就職しても3年、いや1年も続かない人が増えているというニュースをよく目にするようになりました。
こういった人たちは「我慢がない」「仕事をなめてる」と多くの人たちに叩れていますよね。
しかし、そもそも仕事が続かない人がどうして増えているのでしょうか。
そこで本記事では、転職を10回以上経験している僕が、いろいろな会社で感じた違和感をまとめてみました。
目次
仕事が3年続かない人の思考や環境とは?
僕は10回以上転職しているといいましたが、逆にいえば10社以上の会社で働いた経験があります。
そこで、早期に退職する人たちとのかかわりで見えてきた、仕事が続かない人の思考や環境をまとめてみました。
- とりあえず就職してる人が多い
- 情報が多い、多すぎる
- トップの顔が見えない、歯車感の印象が強い
- 「社畜」という言葉の弊害
- 「フリーランス」という言葉の誘惑
ひとつずつ、解説していきます。
とりあえず就職してる人が多い
就活をしているときに、「どこでもいいから、入れればいいや」と、とりあえず就職してる人は、早く辞めてしまう人が多いですね。
だって、仕事をする目的がないんですから。
たとえば、やってみたかったことに挑戦するのであれば、挫折やブラックな環境以外、なにか得るものがあるまでは、がんばれるもんです。
「生活のためには働かなければ」という人も、すぐに辞めることで、生活が詰むことがわかっているので、少なくとも辞めてもいい環境が整うまでは辞めないでしょう。
収入面で困ることがなかったり、世間体が気にならない若いうちは、目的のない仕事を辞めても、自分に影響が及ばないため、早く辞めてしまう決断をしてしまいます。
まぁ、ある意味、期間限定のうらやましい環境ですが。
情報が多い、多すぎる
スマホとインターネットがある今の時代、検索すればほとんどのことはわかりますよね。
そして、たくさんの情報の中から、「都合のいい情報」だけを収集してしまうのが、人間の弱さです。
逆にいえば、一度でも人生で大コケしてると、ちゃんと負の情報も収集するようになるんですけどね。
若いうちは、こうした失敗って、やり直す機会がまだ何十年もありますが、30代や40代でミスると、なかなかあとの人生が大変な目に遭います。
多くの情報に振り回されるということは、自分にとっての目標やゴールがないからです。
自分とじっくり向き合って、ひとまずでもいいので、目指すべきところが見つかるまでは、今の職場の同量や上司の人生を観察するのもアリですよ。(※露骨にやると嫌われます)
トップの顔が見えない、歯車感の印象が強い
会社同士の合併、買収によって、自分が働いている会社のトップに会うことなんて、まずないような時代です。
変な言い方かもしれませんが、仕事をがんばれる理由として、「惚れた人に仕えたい」という人もいます。
トップの理念や考え方、行動に惚れ込んで、「この人の会社でがんばりたい」ってやつです。
少数派になってしまっているのが寂しいところですが、こういった人に巡り合うと、仕事の充実度がだんぜん違ってきます。
大きな会社ほど、末端は「会社の歯車の一部」という意識を持ちがちなんですよね。
なので近年では、新人研修の際に、自分が携わる業務が最終的に会社にどういった利益をもたらせているのかを学ばせる工程を盛り込んでいるところが多くなってきました。
「社畜」という言葉の弊害
僕の嫌いな言葉ですが、会社に雇われている全般の人のことを指している人が多すぎます。
本来は、思考停止に陥り、雇用側のいいなりで過度な労働を強いられている人のことを指すのですが、ふつうに働いている人は社畜とはいいません。
なのに、「サラリーマン=社畜」でカッコ悪い生き方だという誤解を信じている人も多いです。
「俺はこんなカッコ悪い人生は送りたくない」とガチで言ってる若者にもあったことがありますが、じゃあ、なんでココにいるんだろってツッコミたくなります。
「フリーランス」という言葉の誘惑
ここ数年で急激に見るようになった「フリーランス」とか「個人事業主」という言葉の誘惑に乗ってる人が多いですね。
もんのすごい実績を引っさげて、自分はこういう考えで、こんな人生を送ってきたというサクセスストーリーをなぞろうと、いきなり会社を辞めて、ビジネスを始める人が多いです。
なんでこんなことが起きるのかというと、「働く」ということをじっさいに体験して、「こんなに働いているのに給料はこれだけ?」と憤る若者が多いからです。
「パソコン一台で好きなときに働いて、収入は年収1,000万円以上」って人と比べれば、そう思って仕方ないですが、勉強不足がひどすぎます。
自分で稼ぐということは、すべての責任を自分が持つということ。
出勤して働いていれば、とりあえず生活費となにかしらの知識や経験がもらえるというのは、どれだけ素敵な環境なのかは、人生を脱線してみないとわからないのかもしれません。
仕事をあきらめたくないときに試してみてほしいこと
仕事を辞めたいと悩んでいる人の中には、人間関係がうまくいかなかったり、仕事が思うようにできなかったりといった理由もあるでしょう。
しかし、多くの場合、「ダルイから仕事を辞めたい」という人に比べれば、すこしだけ行動や思考を変えれば、長続きすることもあります。
じっさい、僕には好影響だった方法をいくつか紹介しますので、もし、仕事を辞めたくない人は、できそうなやつを試してみてくださいね。
- 小さな目標やゴールをつくる
- 副業や学習を始める
- 一日の時間割をつくる
- 本を読む
- 会社は生活費を稼ぐところだと割り切る
ひとつずつ、見ていきましょう。
小さな目標やゴールをつくる
入社してから、うまくいかないことが続くと、かなりモチベーションは下がってしまいますよね。
僕はたいがい鈍くさいし、要領もかなり悪いので、スタートでコケることが多いタイプなのでよくわかります。
こういうときって、自信がものすごくなくなっているので、まず必要なのは「自信の回復」です。
そんなときは、とにかくハードルが低すぎるくらいの目標やゴールをつくりましょう。
- 毎日、5時に起きてコーヒーを入れる
- 本を1日3ページ以上読む
- 一週間のあいだ、定時で帰る…など
ポイントは、できそうなことを毎日の目標に設定することです。
ちゃんと達成賞を1週間、1か月と好きなタイミングで入れるようにすると、モチベーションも続きやすいです。
また、ぜんぜん変更可能なので、ある程度続いたら、違う目標を立ててもOKです。
副業や学習を始める
一日のなかで、仕事以外の時間の使い方がわからないって人も多いです。
このなにをしていいかわからない時間が、漠然とした不安を育ててしまうんですよね。
それならば、副業やスキルを身につける時間にあてるのがおすすめです。
もちろん、副業にしても学習にしても、大変なことには違いないですよ。
しかし、続けることで身に付くものも大きいので、じっくりと取り組んでみてはどうでしょうか。
個人的におすすめなのは、副業ならブログ、スキルならプログラミングです。
どちらも稼げるレベルまでがんばれば、メリットが大きいので、がんばりがいもありますよ。
僕もいまは、ブログを軸にプログラミングの勉強もしてて、これがまたおもしろくて、楽しく挑戦しているところです。
一日の時間割をつくる
これも副業や学習につながりますが、プライベートの時間をムダにしないためにも、時間割をざっくりでいいんでつくってみることを推奨しています。
というのも、惰性で動くのって楽なんですが、ムダだらけなんですよ。
いまの自分の時間割をつくってみるとわかると思うんですが、ほとんどの人は、なんにも生み出していない時間だらけだと思います。
僕も昔は、マンガとゲームとパチスロしかありませんでしたw。
また、「今日やることリスト」を毎日寝起きでつくる癖をつけるのも有効です。
リストをこなすだけで、小さな満足感を得られますし、やるべきことをつくることで、毎日の充実度も違ってきます。
これって、大げさな話じゃないんですよ、マヂです。
本を読む
自分のことなのに、悩んだり、不安を覚えるのは、自分の中に答えがないからです。
この答えのなさをある程度解消できるのが、知識をつけること。
別にむずかしい本を読む必要はまったくないんですが、自己啓発やビジネス本ってけっこういろんな知識や考え方を得られるのでおすすめですよ。
本を読むのが苦手な人は、「マンガでわかる~」シリーズから入ってもいいです。
おすすめは「エッセンシャル思考」ですね。
とりあえず、思考や行動の無駄はかなり省けるようになりますよ。
会社は生活費を稼ぐところだと割り切る
これをいっちゃうと怒られますが、会社は生活費を稼ぐところだと割り切るのもアリです。
マジメな人ややさしい人は、自分が職場やチームの中で役に立てていないと悩んでしまいます。
しかし、役に立つとか貢献するというのは、ちゃんと出社して仕事をしていれば、最低限の部分はクリアしているんだというくらいの気持ちでいましょう。
ものすごく人間関係が悪い場合は、さっさと転職すべきですが、悩むということは同僚の人間関係がそこまで悪いことはないはず。
それならば、勇気を出して、どうすればいいかを相談してみましょう。
そして、この勇気が出ないのであれば、会社は生活費を稼ぐためのところだと割り切って、自宅で副業やプログラミングの学習に励みましょう。
マジメなのは決して悪いことではないのですが、得てして視野が狭くなりがちです。
それこそ、さきほど紹介したエッセンシャル思考の本(マンガ版)を読んで、考え方について学んでみるといいですよ。
精神が病むようながんばり方で仕事を3年も続けなくていい
よく、「環境のせいばかりにして、自分を変える努力をしていない」という意見を目にします。
以前の僕なら、「もっともだ」と納得していたでしょう。
しかし、うつになって人生のがけっぷちを体験すると、この考え方っておかしいのでは?と思うようになりました。
給料をもらっているのだからといって、会社に合わせるのは当然なのでしょうか。
雇用主は「給料」を支払います。
労働者は対価として「労働力」を提供しています。
労働力って、ひらたくいうと人生の「時間」の一部なんです。
サラリーマンは少なくとも、一日の約3分の1という貴重な時間を差し出して、労働しているんですよね。
それなのに、心身ともに病んでしまうまで、そこで働く意味なんてないです。
しかも、これだけ「会社の体質に合わせる」ことを強要しておいて、体を壊すという結果を招いても、会社は一切責任なんて持ってくれません。
これはほんの一部の会社の実態であってほしいと思いたいところですが、「退職代行」なんていうサービスが生まれるということは、いまでも苦しんでいる人が多いことを裏付けています。
別記事でも書いていますが、「うつ」になると本当に人生が狂ってしまうので、もしこの記事を読んでいるあなたが、精神的に苦しいのであれば、我慢しようと思わないでくださいね。
-
会社を辞めたい40代は鬱になる前に退職を考えるべき3つの理由【体験談】
こんな方におすすめの記事です 会社を辞めたいと思っている 仕事がつらくて仕方がない うつの傾向がみられる 仕事にやりがいを感じない 生活のほとんどを仕事に費やしている 上記のような思い、 ...
続きを見る
まとめ:自分が生きていくための選択肢を1つに絞らない
今回の記事では、どうして仕事が3年続かずに辞めてしまう人が多いのかを考察してみました。
僕自身、忍耐力のない、あきらめ癖のある人も多く見てきたので、会社側が一概に悪いとは言いません。
むしろ、改善してより良い職場環境を目指している企業も増えています。
しかし、そんないい企業に当たる可能性は決して高くはありません。
裏を返せば、就職先にそこまでの好環境を期待することが間違っています。
もし、職場に不満があるとしても、仮に残業が少ないのであれば、定時で帰ることのできるメリットをフルに活用して、副業を始めればいいでしょう。
プログラミングなどのスキルを得るために、学ぶ時間に当ててもいいですよね。
しかし、仕事をすぐに辞めてしまう人の特徴として、変に情報過多なのに、行動しない人が多いです。
言い方は悪いですが、会社というところは、ちゃんと出勤して、必要な業務をこなせばお金はもらえます。
生活資金を手に入れることができているなら、同じ、いやそれ以上の収入を得る選択肢を、プライベートの時間で構築すればいいだけです。
いまの時代、検索すればいくらでも「情報」は手に入ります。
未来の選択肢を1つに絞り切らずに、3年後、5年後にいまより豊かな生活環境を得るための行動を起こすようにしましょう。