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今さら聞きにくいんだけど…「シャンパンとスパークリングワインってどう違うの?」
スパークリングワインの上位版がシャンパンだという間違った認識の人も、実際はけっこう多かったりします。
お値段も結構違うので、そう思ってもおかしくないのですが、シャンパンは確かに品質のよい、手のかかっているワインではあります。
では、一体どんなところが違うのでしょうか?
結論を言うと、スパークリングワインはしゅわしゅわしているワインの総称で、シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方でつくられているスパークリングワインのことです。
ちなみに、シャンパンのことをここ数年で「シャンパーニュ」というようになってきたので、記事の中ではシャンパーニュで書かせていただきます。
それでは具体的には、どんな違いがあるのかを見ていきましょう!
目次
シャンパーニュとスパークリングワインの違いとは
シャンパーニュとスパークリングワインの違いは冒頭でも説明しましたが、しゅわしゅわしているワインのことをスパークリングワインといいます。
そして、その中でもフランスのシャンパーニュ地方でつくられている、スパークリングワインのことをシャンパーニュ(シャンパン)といいます。
つまり、シャンパーニュは、スパークリングワインの一種であるということです。
ちなみに、同じフランスの中でも、シャンパーニュ地方以外でつくられたスパークリングワインは、シャンパーニュとは呼べません。
また、後で説明しますが、シャンパーニュを名乗るためには、フランスの法律によって定められているとっても厳しい基準をクリアしていないといけないんです。
このあたりに、シャンパーニュのお値段が高い理由が、見え隠れしているわけです。
スパークリングワインとは?
スパークリングワインとは、しゅわしゅわとした炭酸ガスを含んだワインの総称です。
ちなみに、スパークリングワインのガス圧は決まっていて、3気圧以上のガス圧がないといけないんです。
ポイント
ちなみに、通常の炭酸飲料は3~4気圧のものが多いようです。
ガス圧の強さにより、弱発泡性ワインと強発泡性ワインとに分かれ、通常のスパークリングワインは強発泡性ワインになります。
ポイント
弱発泡性ワインには、フランスのペティヤン、イタリアのフリッツァンテなどがあり、ガス圧は1~2.5気圧以下になります。
スパークリングワインのつくり方
スパークリングワインのつくり方は、大きく分けて次の4つあります。
ポイント
- シャンパーニュ方式(伝統的方式)
- シャルマー方式(密閉タンク方式)
- トランスファー方式
- 炭酸ガス添加方式
シャンパーニュ方式(伝統的方式)
シャンパーニュ方式はまず一次発酵でベースとなるワインを造った後、瓶詰めした瓶の中で二次発酵をさせるという手の込んだ製造方法です。
なんといっても、この製法の特徴は、あの美しいきめの細かい泡ですね。
シャルマー方式(密閉タンク方式)
次に、シャルマー方式ですが、シャンパーニュ方式の瓶内二次発酵の部分を、瓶詰めしないでタンク内で行う方法です。
一貫して、ほぼタンク内で造られるため、大量生産に向いているほか、ワインが空気に触れる場面が少ないので、ブドウ本来の香りが残りやすいという特徴があります。
トランスファー方式
トランスファー方式は、シャンパーニュ方式の瓶内二次発酵まで終えた後、タンクに移して濾過をしてから、再び瓶に戻すという製法です。
シャンパーニュ方式の場合、瓶内二次発酵中に非常に手間のかかる動瓶(どうびん)、澱抜き(おりぬき)という工程があるのですが、この部分を簡略化することで大量生産が出来るようになった製造方法です。
炭酸ガス添加方式
最後に炭酸ガス添加方式ですが、これはその名の通り、ベースとなるワインに二酸化炭素を添加して、スパークリングワインを大量生産するという方法です。
コストが抑えられるのですが、品質的には低いと思ってください。
ちなみに、EU内では禁止されている製造方法です。
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シャンパーニュとは?
シャンパーニュとは、フランスの北部にあるシャンパーニュ地方でつくられ、なおかつフランのワイン法の厳しい基準をクリアしているスパークリングワインのことです。
▼シャンパーニュを名乗るための条件(一部)
- フランスのシャンパーニュ地方での生産
- シャンパーニュ方式(瓶内二次発酵)を採用
- アルコール度数は11度以上
- 原料として使うブドウ品種は主にピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ
- ガス圧は5気圧以上
- 熟成期間は最低でも15カ月
- ブドウは手摘みで収穫する
これだけでも、まだ一部分の条件ですが、ものすごく厳しいですよね。
ちなみに、シャンパーニュの中でもさらに高価なものになる、ヴィンテージ(原料となるブドウの収穫年)が記載されているものは、シャンパーニュ地方でブドウが豊作だった年にしかつくられません。
それくらい、「シャンパーニュ」というブランドに、品質としての誇りを持っていますし、厳しい法律によって守られているワインでもあるんです。
メモ
スパークリングワインとシャンパーニュの見分け方は実は簡単!シャンパーニュは、エチケット(ラベル)に「CHAMPAGNE」とわかりやすく記載されています。
産地別スパークリングワインの名称
これまでの解説で、フランスのシャンパーニュ地方でつくられているスパークリングワインを「シャンパーニュ(シャンパン)」と呼ぶことが分かったと思います。
では、他の地域や国でつくられているスパーリングワインにも呼び名があるんでしょうか?
実はあるんです!
主なスパークリングワインの地域別の名称は、次のようになります。
フランス
フランスのシャンパーニュ地方で瓶内二次発酵でつくられているスパークリングワインを、シャンパーニュ(シャンパン)と呼びます。
フランス国内でこの瓶内二次発酵によって、「シャンパーニュ地方以外で」つくられているスパークリングワインのことを「クレマン」といいます。
その他、フランス国内でつくられているスパークリングワイン全般をヴァン・ムスーと呼びます。
ちなみに、1~2.5気圧以下の弱発泡性ワインに、ペティヤンというワインもあります。
メモ
しゅわしゅわしていないスティルワイン(赤ワインや白ワインなど)は1気圧以下とされています。
イタリア
イタリアでつくられている、スパークリングワインの総称を「スプマンテ」といいます。
シャンパーニュと同じく、瓶内二次発酵でつくられたスパークリングワインもあり、フランチャコルタと呼ばれています。
また、「世界3大スパークリングワイン」の一つとも言われているプロセッコは、シャンパーニュと比べてほんのり甘くて飲みやすいこともあり、女子会やワイン初心者さん向けとしても大人気ですね。
メモ
▼世界3大スパークリングワイン
- シャンパーニュ(フランス)
- プロセッコ(イタリア)
- カヴァ(スペイン)
ちなみに、1~2.5気圧以下の弱発泡性ワインに、フリッツァンテというワインもあります。
イタリアはある意味、フランスよりワイン法がゆるかったこともあり、イタリア特有のブドウ品種がかなり多く存在するため、イタリアならではの味わいを持ったワインがたくさんあるので、個人的におすすめのワイン国です。
スペイン
スペインのスパークリングワインの総称は、「エスプモーソ」と呼びます。
その中でも有名なのが、シャンパーニュと同じ製法である瓶内二次発酵でつくられている、「カヴァ」とよばれるスパークリングワインです。
カヴァは、高品質なのにかなりのお手ごろ価格で、我が家でもちょっとしたハレの日や自分へのご褒美、誕生日などで大活躍です。
日本では、サントリーが取り扱っている「フレシネ」が、カヴァになります。
ちなみに、瓶内二次発酵を行っている場所が洞窟を利用していることから、洞窟という意味の「カヴァ」という名前になったんだとか。
ドイツ
ドイツのスパークリングワインはシャウム・ヴァインと呼ばれ、その中でも高品質なスパークリングワインを「ゼクト」と呼びます。
ゼクトはさらに、ドイツ国内産のベースとなるワインを使用しているドイチャー・ゼクト、13の特定生産地域で栽培されたブドウから生産されているゼクト b.A.があります。
また、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵を採用しているゼクトには、「クレマン」と「ヴィンツァ―ゼクト」というスパークリングワインもあります。
ちなみに、1~2.5気圧以下の弱発泡性ワインには、パールヴァインというワインもあります。
今回の記事のまとめ
スパークリングワインには、国や地域によって様々な種類があります。
その中でも、それぞれの産地の特徴が違っているので、お気に入りのスパークリングワインもまた違ってきます。
なかなかシャンパーニュには、お値段的に手が出ない人のほうが多いと思いますが、そんな人はぜひスペインのカヴァをお試しください。
黒いつや消しのカッコイイ瓶でおなじみの「フレシネ・コルドン・ネグロ」は、お値段的にも手に入りやすいスパークリングワインですよ。
また、スパークリングワインを飲む時は、ぜひよーく冷やしてくださいね!
スパークリングワインの栓を開けるときのコツは、タオルなどで栓を覆ってしっかり持ち、ボトルのほうをゆっくり回すことです。
季節を問わず、料理にも合わせやすいスパークリングワイン。
ワイン選びに困ったら、スパークリングワインにしてみてはどうでしょうか?
以上、今回はスパークリングワインとシャンパーニュの違いについての記事でした。