こんな方におすすめの記事です
- ヴィンテージってなに?
- ヴィンテージワインって高級ワインっていう意味?
- ヴィンテージワインって美味しいの?
「ヴィンテージワイン」というと、「〇〇年物の超高級ワイン」というイメージを持っている人が、多いのではないでしょうか?
結論から言うと、ワインの世界でいう「ヴィンテージ」とは、「原料となるブドウの収穫年」のことをいいます。
ブドウは農産物なので、毎年同じ品質で、同じ量が収穫できるわけではありません。
質のいいブドウが、豊作の年にできたワインは、より良いワインになる可能性が高くなり、そんなワインは、長期間の熟成を経て、価値がビックリするくらい跳ね上がることもあります。
「〇〇年物は当たり年のワイン」というような表現をすることもあるので、「ヴィンテージ=高級ワイン」と思われがちなんですね。
そこで本記事では、ワインのヴィンテージについて少し掘り下げてみようと思います。
目次
ワインのヴィンテージとは?
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冒頭でもふれましたが、ワインの世界でヴィンテージとは、「原料となるブドウの収穫年」のことを指します。
たとえば、ヴィンテージの表記に「2018」と書いてあると、「2018年に収穫されたブドウで造られたワイン」という意味になります。
ちなみに、必ずしもヴィンテージの表記をしなくてもいいので、ラベルのどこを見てもヴィンテージが書かれていないものもあります。
ヴィンテージとは、あくまでいつの年代に収穫されたブドウを使用しているかという、1つの目安だと思うとわかりやすいかもしれません。
ワインのヴィンテージって大事なの?
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ワイン通の方や、ソムリエなどのワインの専門家の方々は、なぜヴィンテージを意識しているのでしょうか?
それは、収穫されるブドウの出来具合で、「当たり年」と呼ばれるものが存在するからなんです。
ブドウは当然ですが農作物ですので、毎年同じ量、同じ品質で収穫するということは、ほぼ不可能だといっても過言ではありません。
ブドウの育成状態やその地域の気候、気温などの条件が、毎年一定なはずがないですもんね。
なのでワインのヴィンテージは、その年のどこの地域でブドウが、どんな生育状況だったかを知ることにもつながるんです。
天候やブドウの生育に恵まれ、醸造にも恵まれたいわゆる当たり年のワインは、やはり非常に美味しいワインに仕上がる可能性が非常に高いです。
もし、「当たり年」のヴィンテージワインを探すのであれば、ワインが醸造された産地の当たり年を調べることで、見つけられる可能性が出てきます。
たとえば、いつの年代のワインを探すというのが決まっているのであれば、あとは出来るだけその年の良い評価のある産地を探すのも、ヴィンテージワインを探すときのポイントです。
メモ
ワインのヴィンテージを調べる方法の一つとして「ヴィンテージ・チャート」というものがあります。冊子として購入することもできますが、インターネット検索でも知ることができます。
ブドウの質がよく豊作である年があるように、残念ながら様々な要因で、ブドウの出来が良くない年も出てきます。
しかし、「ヴィンテージの良し悪し=ワインの良し悪し」にならないのがワインの面白いところであり、醸造家の方々の技術と努力の結晶でもあります。
ブドウの生育状況があまりよくない年でも、一定品質のワインに仕上げてから、ベストな状態で世に送り出してくれる醸造家の方の技は、神がかっているといえます。
毎年、当たり前のように美味しいワインを飲めるのも、ブドウ生産者の方やワイン醸造家の方の知恵と努力と愛があってのことを忘れないようにワインをいただきたいですね。
ワインのノンヴィンテージってなに?
実は、ヴィンテージの記載は、「任意」となっています。
また、ヴィンテージを記載する場合でも、各国で決められた厳しい基準を満たしていなければなりません。
例えば、ヴィンテージとはブドウの収穫年といいましたが、そのブドウがワインの原料として何%以上含まれているかで、ヴィンテージの記載が出来るかどうかが決まります。
実際に、店頭で売られているワインのラベルをよーく見てみると、ヴィンテージの入っていないもののほうが、多く感じられるのではないでしょうか。
ヴィンテージの記載のないものを「ノンヴィンテージ」と呼びます。
多くのワインは一定のレベルに品質を安定させるため、その年に収穫されたブドウ以外にも、複数の年のものをブレンドしていることがあります。
ブレンドしている割合が、それぞれの国の基準を超えている場合、ヴィンテージの記載をすることが出来ません。
しかし、複数年のブドウをブレンドしているからといって、ワインが美味しくないわけではないんです。
むしろ、絶妙なブレンドを行うことで、一定の水準をクリアできるワインを世に送り出しているのです。
ちなみに、良質なワインでもブレンドされているものはわりと多いので、ノンヴィンテージのワインの品質が低いなんてことは決してないんですよ。
超絶厳しいシャンパーニュの世界
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高価なワインの印象の強い『シャンパーニュ(シャンパンのこと)』は、フランスのシャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインのことをいいます。
実は、シャンパーニュの8割はノンヴィンテージといわれています。
シャンパーニュ地方はフランスでも北部にあり、寒い地域でもあるため、なかなかブドウの生育が安定しません。
しかし、シャンパンの醸造家の方々は、品質を落とすことなく『シャンパーニュ』を世に送り出したいので、その年のワインに複数年のワインをブレンドして品質の安定を図っています。
これは、毎年出荷されるシャンパンの品質に差が出ないように行われている、まさに神業のようなブレンドなんです。
しかもシャンパーニュの場合、ヴィンテージを記載するとしても、その基準はその年に収穫されたブドウ100%でないと、ヴィンテージの記載が出来ないかなり厳しい基準となっています。
その年に収穫された100%のブドウといっても、もちろん高品質を維持するのは絶対条件なので、選び抜かれたブドウを使用しなければなりません。
また、シャンパーニュは熟成の期間にもこだわりがあり、ノンヴィンテージのシャンパンだと瓶詰めしてから発酵させる工程が、最低でも15か月間寝かせてからでないと出荷できません。
しかも、ヴィンテージのシャンパンだと、最低でも3年間は瓶の中で静かに発酵させなければならないんです。
通常のスパークリングワインは、最低9か月の発酵期間を終えれば出荷できることを考えると、どれだけヴィンテージ記載のあるシャンパンに、手間がかかっているのかわかりますよね。
これが、ヴィンテージが記載されているシャンパンが、高価で希少価値の高い理由の一つなんです。
今回の記事まとめ
ワインの世界では、ヴィンテージは原料となるブドウの収穫年のことです。
原料となるブドウは毎年同じ品質、同じ量で収穫できるわけではないので、年によって豊作の年と不作の年が出てきてしまいますよね。
豊作の年でワインの出来栄えが非常によいと「当たり年」として、世界中の人がそのワインを求めて味わいます。
すると、当然その数は減少の一途をたどるので、希少価値はさらに高くなるんです。
こうなると、価格はどんどん上昇していくので、びっくりするような高価格のワインに化けたりします。
これが、「高級ワイン=ヴィンテージワイン」と思われている理由ですが、実はヴィンテージの記載義務はなく、記載する場合は産地国の基準をクリアしなければいけません。
しかし、特別な贈り物や記念日にワインを選ぶことでもない限り、個人的にはヴィンテージにこだわる必要はそこまでないと思います。
それだけ完成度の高いワインはたくさんありますし、日常で飲むワインであれば、ヴィンテージの記載のないものでも十分に楽しめます。
ワインが大好きで、様々な味わいや香りが感じ取れるようになったころ、当たり年のワインがどれほど違うのか試してみるのもいいのではないでしょうか?
余談ですが、当たり年は5年周期でくるという、不思議な法則みたいなものがあります。
もちろん、確実性のないものですが、当たり年の末尾を見ると”0”か”5”の場合が多いようなので、店頭でふと思い出したら参考にしてみてください。
以上、今回はワインのヴィンテージについての記事でした。