こんな方におすすめの記事です
- 腕時計の購入を考えている
- 選択肢に高価な腕時計がある
- 一生モノの腕時計を手に入れたい
ちゃんとした腕時計を1つは持っておきたいと思ったはいいけど、カタログなどを調べてみると、「機械式?」「クオーツ?」「クロノグラフ???」よくわからない単語が目白押しだったりしませんか?
ベルトの素材もチンプンカンプン…。
そこで本記事では、そんな腕時計初心者さんに、基本的な腕時計に関する知識をわかりやすく解説します!
目次
腕時計の機械式とクオーツ式の違い
腕時計の種類は大きく分けて、「機械式」と「クオーツ式」にわかれます。
簡単にいえば、時計を動かしているムーブメント(時計の内部にある動力機構部分のこと)の違いによるもので、要はなにを動力源として動いているかということです。
それではそれぞれの動力源を見てみましょう。
機械式腕時計はなにで動いてる?
機械式腕時計の動力源は「ゼンマイ」です。
ゼンマイを巻いて巻いて巻いて……パワーを蓄えるようなイメージで、このゼンマイが元に戻るときの力を動力として応用します。
機械式腕時計にはさらに、「手巻き式」と「自動巻き式」の2種類がありますが、この二つの種類はハッキリ言って好みになります。
その違いや魅力はまた後述しますので、そちらを参照ください。
クオーツ式腕時計はなにで動いてる?
クオーツ式腕時計の動力源は「電池」です。
腕時計を使用したことがある人のほとんどは、このクオーツ式腕時計かと思われます。
超簡単に、なぜ正確な電池で正確な時を刻むことができるのかを解説すると、腕時計本体の中に水晶(=クオーツ)が入っていて、この水晶は電圧を流すと非常に安定した周波数で振動するんです。
この水晶の振動は毎秒3万回以上振動しているといわれているのですが、この振動を一秒分感知したらモーターが作動して一秒進むというイメージで、ほとんど狂うことなく時を刻んでくれているんです。
機械式腕時計の特徴とは
先ほど機械式腕時計には「手巻き式」と「自動巻き式」があると解説しましたが、実際のところ両者の違いや、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
それぞれの特徴を見てみましょう。
機械式腕時計(手巻き式)の特徴
手巻き式の特徴はその名の通り、リューズ(龍頭)と呼ばれるつまみを手でくるくる回して、ゼンマイを巻いていくタイプのものをいいます。
一度巻くと、だいたい2日~3日ほどで止まるので、また巻くことになります。
つまり、持ち主が大事に大事に手をかけてあげないと時計が止まってしまので、愛着のつき方はハンパないのが、最大の特徴ともいえます。
逆にいえば、いちいち巻かなければならないのが面倒くさいという人には、向いていない腕時計になります。
自動巻き式
自動巻き式の特徴は、手巻き式の手でゼンマイを巻いていく作業を省いたものです。
簡単にいうと、手を動かしたり、振っていれば内部にあるローターと呼ばれるものが回転して、自動でゼンマイを巻いてくれるというものです。
ちなみに、手巻き式のように手動でリューズを回して、ゼンマイを巻き上げることも可能です。
ただ、自動巻き式でも何日も腕時計をつけることなく放置しておくと手巻き式同様、時計は止まってしまいます。
機械式腕時計の大部分は高額な腕時計になるため、プライベートでしか使わない人も多かったりします。
そんな人にありがたいのが、ワインダー(ワインディングマシーン)と呼ばれる、保管するだけで自動で自動巻き式のゼンマイを巻いてくれるアイテムもあります。
お値段はピンキリですが、見た目に高級感があるものが多いため、部屋の中にワインダーがあると一気に腕時計のコレクター感が出ます。
機械式腕時計で初心者が注意すべき点
手巻き式や自動巻き式は、長期間使用していたり、逆に時計が止まったまま数か月もの間放置しておくと、内部の油が劣化してしまい、時計が大きく狂うもとになってしまいます。
あまりに大きく狂うようであれば、オーバーホールの必要性が出てきます。
オーバーホールとは分解掃除のことで、簡単にいうと腕時計のパーツをすべてバラバラにして洗浄し、新しい油を指しながら組み上げ直したうえで点検までしてもらう作業のことです。
機械式腕時計は、だいたい3~5年の周期でオーバーホールを行うことで、時計としての寿命がどんどん長くなります。
しかし、クオーツ式腕時計のオーバーホールに比べると費用が高く、安くても2~5万円くらい、部品交換やブランド次第では10万円近くかかることもあります。
一生モノの腕時計の必要経費だと思って、絶対にケチらないほうがいい費用だと思っておいてください。
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腕時計について、いろいろな知識がついてくるとできることも増えてきますが、初心者のうちはこういったメンテナンスや管理が出来ないのであれば、高いお金を出してまで機械式にこだわらないほうがいいと思います。
クオーツ式腕時計の特徴
クオーツ式腕時計は、簡単にいうと電池を動力源とする腕時計で、ほとんどの人が使用している腕時計が恐らくこのタイプです。
ちなみに、ソーラータイプや電波時計もクオーツ式腕時計になります。
クオーツ式腕時計には、高度な技術を用いられているものも多く、機械式と比べると格段に時計の精度が向上しています。
機械式腕時計は、一日に10秒前後くらいの誤差が出てくるのが普通ですが、一般的なクオーツ式腕時計は、1か月の誤差が20秒前後といわれていて、さらに高性能なものになると年間でも10秒前後の誤差しか出ないんです。
また、クオーツ式腕時計は機械式腕時計と比べて、放置しておいても電池の残量が尽きない限り止まることはありません。
機械式腕時計のように、普段からこまめな手入れがいらないのは、取り扱いやすさの観点からも初心者向けといえるでしょう。
しかし、クオーツ式腕時計も電池が尽きれば交換しなければなりません。
たまに、電池交換が面倒でそのままにしておいたせいで、電池が液漏れを起こしてしまい、時計内部へ甚大なダメージを与えてしまうケースがあります。
こうなるとオーバーホールに出して、部品交換で済めば復活も見込めますが、最悪の場合は修理不可になることも珍しくありません。
また、クオーツ式腕時計も3~5年に一度、オーバーホール(分解掃除)に出して内部のパーツの洗浄や点検をしてもらったほうが、時計そのものを長く使えるようになります。
オーバーホールの基本的な費用は5,000円~35,000円と、機械式腕時計に比べて低めの費用で済みますが、やはり部品交換などがあればその分追加料金が発生します。
電池交換だけしておけば、ずーっと使えるわけではないことを、ぜひ知っておいてくださいね。
腕時計初心者でもわかる機械式とクオーツ式の見分け方
機械式とクオーツ式の腕時計を見て見分ける方法があります。
それは、秒針の動き方です。
- 機械式…秒針がスーッとなめらかに動きます
- クオーツ式…チッ、チッ、チッと1秒ごとに秒針が動きます
この秒針の動きひとつでも、それぞれのファンが惚れるポイントでもあったりします。
ちなみに、時計を装着して腕を振った時に、機械式(自動巻き)は内部のローターが「シャーシャー」と回る音が聞こえるのも、見分け方の一つです。
ソーラー充電式腕時計の特徴
ソーラー充電式腕時計と書くと、ピンと来ないかもしれませんが、メーカーによっては「エコ・ドライブ」とか「ソーラータイプ」といった名称があり、要は太陽光をエネルギーとして蓄えて動力源とするクオーツ式腕時計です。
よく「太陽光じゃないといけないの?」という質問がありますが、充電の時間はかかるものの蛍光灯の光でも大丈夫です。
また最も多い勘違いが「電池交換をしなくてもいい」と思っている点です。
実はソーラー充電式は、光を電気に変換するシステムが備わっているのですが、変換した電気を蓄えるための電池があるんですね。
その電池は、当然使用を続けていれば消耗していくので、電池としての寿命が来れば交換しなければなりません。
オーバーホールの時に、「交換したほうがいいですよ」という連絡が来るので、そのような場合は素直に交換しておいたほうがいいでしょう。
あと、引き出しの中やカバンの中に入れっぱなしにしておくと、当然充電されないので、時計自体が止まってしまうケースもあります。
故障かなと思ったら、ひとまず窓際などの光がよく当たる場所に腕時計を置いて、再稼働するかどうかをまず確認するといいでしょう。
腕時計の種類
店頭のPOPやカタログを見ていると、同じブランドの腕時計でも、色々な呼び名のあることに戸惑う人も多いのではないでしょうか?
一つ一つの特徴を、詳しく説明するとものすごく長くなるので、ここではわかりやすく簡潔に解説しようと思います。
3針(または中3針)
最もシンプルな腕時計のタイプで長針・短針・秒針の3本の針と、文字盤だけのデザインのものを3針といいます。
シンプルな大人カッコイイのが好きな人や、ごちゃごちゃ使わないようなものがついているのが苦手な人におすすめです。
クロノグラフ
「クロノ」は時間、「グラフ」は記録という意味で、時間の記録、つまりストップウオッチ機能の付いた腕時計のこといいます。
腕時計を正面から見て、右側に2つもしくは、3つボタンがついているものは、ほぼ間違いなくクロノグラフがついている腕時計です。
デザインとしてメカニカルなものが多いので、男性にはクロノグラフ好きな人が多い傾向にあります。
ジュエリーウォッチ
本体部分が金やプラチナで作られていたり、文字盤の周り(ベゼル)や文字盤の中などに宝石があしらわれている、高級感のある腕時計のことをいいます。
お値段も相応の高額なものが多いこともありますが、個人的にはどちらかというと相応の年齢を重ねてないと、ジュエリーウォッチはなかなか似合わない印象があります。
ダイバーズウォッチ
その名の通り、潜水時に使用しても問題なく利用でき、かつ水中でも文字盤をしっかりと見て、時間を読み取ることができる腕時計をいいます。
潜水を職業としている人たちにとって、潜水時間や深海での作業時間は命に関わることなので、しっかりとした作りになっているのが特徴です。
シンプルなデザインなのに、わりとすべてがごっつくて、しかも防水レベルも非常に高いので、いろいろ気にしなくていいこともあり、男性票の多い腕時計になります。
暗い海の中でも時間がわかるように、文字盤や針に蛍光塗料が塗ってあるのも特徴的で、夜中に時間がすぐわかるのもなんとなく少年心をくすぐってきます。
参考までに腕時計の裏に記載されている防水レベルを解説しておきます。
メモ
- 200m…水泳やマリンスポーツなど水場での活動にも耐えられるレベル
- 300m…素潜りやスキューバダイビングでも使用可能なレベル
- 500m以上…プロのダイバーや深海での救難活動など潜水が仕事に直結している人が使うレベル
ダイバーズウォッチには「200m」と刻まれているものが多いですが、本格的なものは300m以上の記載のあるものを指すことが多いです。
ちなみにJIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)が要求しているレベルをクリアできないと、ダイバーズウォッチを名乗ることができません。
注意点としては、防水レベルがしっかりしているからといって入浴時にもつけている人がいますが、お風呂の熱は意外な故障の原因を招いたりするので絶対にやめましょう。
パイロットウォッチ
その名の通り、パイロットのために設計された腕時計になります。
パイロットウォッチは、なんといっても見た目がカッコイイデザインのものが多く、ふつうの腕時計に比べて付加機能も多いのでメカニカルなものが多いです。
パイロットウォッチは、以下のような機能がついていることが多いので、参考にしてみてください。
メモ
- ワールドタイマー…世界の主要都市の時刻がわかる機能
- クロノグラフ…ストップウォッチ機能
- タキメーター…時速を計測できる機能
また、大幅な気圧の変化や高速で飛行する重圧にも耐えられるように、非常に丈夫に作られているのも魅力の一つです。
ミリタリーウォッチ
本来は軍用に開発されたものですが、いまではその丈夫さや使い勝手の良さ、おしゃれなデザインで人気のある種類の腕時計になります。
軍用ということもあって、防水機能や本体の丈夫さには定評があり、暗いところでも時間がわかるような文字盤・針になっていたり、時間の計測(クロノグラフ機能)がついているものも多いです。
中でも、通常の腕時計の「カッコイイ!」とは一味違ったかっこよさのある独特のデザインが、ファンの心をつかんで離さない理由になっているようです。
お値段も、かなりリーズナブルなものから高級なものまでありますが、低価格すぎるものはさすがに相応のレベルだと思ったほうがいいでしょう。
腕時計のベルトの種類
ベルト(またはブレスレット)は本体のデザイン以外で、好みがかなり分かれるポイントになります。
見た目であったり、手入れの面であったり、もしくは金属アレルギーのための対応だったりと選ぶ理由はさまざまです。
それぞれの特徴をかんたんに解説しますね。
ステンレス
腕時計のベルトの中では多いタイプの素材で、さびにくくて頑丈な特徴があります。
ただ、腕時計をつけ慣れていないと、意外とズシッと重たく感じるかもしれません。
チタン
非常に丈夫で、ステンレスよりも軽量なので、腕時計初心者や女性に人気の素材です。
金属アレルギーが起きにくいとも言われているのですが、心配な人は、必ず皮膚科などでテストをしてから購入するかどうかを判断してください。
革
材料となる動物の種類によって、見た目や質感が変わるほかに、色や太さの種類も多いのが特徴です。
金属タイプのベルトにはない、クラシカルな大人の雰囲気が出るカッコよさのあるベルトでもあります。
革なので使い込めば味のあるベルトになりますが、汗や水分によるシミや劣化との戦いにもなります。
特に、汗などで湿った後に手入れもしないでおくと、ちょっと匂いが気になってしまうのもデメリットですね。
ちなみに、汗をよくかく夏場にはステンレスやチタンのベルト、冬場には革のベルトというように、季節によってベルトを交換する方もいらっしゃいますよ。
ラバー(ゴム製・シリコン製)
革のように汗を気にしなくてもよくて、金属のように重さを気にすることがない、カジュアルさやスポーティさに秀でているベルト素材です。
意外と高級な腕時計にも、専用のシリコン素材のベルトがあったりするので、高級腕時計をカジュアルにコーディネート出来たりもします。
半面、モノによってはお値段相応の安っぽさが出てしまうこともあるので、センスを問われる素材でもあります。
金属アレルギー対応の腕時計がある!?
金属アレルギーのあるひとには試してみてほしいのが、耐金属アレルギータイプの腕時計です。
たとえば、金属アレルギーの症状が出るといわれている金属を素材として使用しないのものや、肌に当たる部分に処理を施してアレルギーの発症を抑えるといったものです。
ただし、アレルギー症状に対する「絶対」ではないので、腕時計を装着してかゆみや赤みなどの炎症症状が起きた場合は、直ちに外して専門の皮膚科を受診してください。
金属アレルギーは、いままで大丈夫だった人も突然発症することもあるので、そういった場合は皮膚科に行ってアレルギーテストを行い、医師の指導のもので今後の使用を相談するといいでしょう。
腕時計のカタログなどでよく出て来る用語
カタログや専門雑誌、サイトなどを見ていると、しれっと使ってある専門用語をよく見かけます。
知らないと、なんの説明をしているのかわからないこともよくあるので、ここではよく登場する基本的な単語を解説しておきますね。
▼パーツの名称
- リューズ(龍頭)…時刻やカレンダーを合わせるとき、または機械式のゼンマイを巻くときに使うパーツ
- ベゼル…文字盤の周りにある円状のパーツで回転するものもある
- ケース…本体の外側部分で防水・防塵や衝撃から内部を守るためのもの
- ダイヤル…文字盤のこと
- インデックス…文字盤に配置されている時間を表す数字やメモリなど
- ガラス…ダイヤルを保護しているもので種類も様々ある
- ラグ…ケースとベルトをつなぐ部分
▼システム・機能名
- オートクオーツ…機械式腕時計の自動巻きと同様のローターを回転させることで発電する仕組み
- GMT機能…2つの国の時間を同時に表す機能で針が1本多くてベゼルに24時間分の数字が刻まれているものが多い
- 永久カレンダー…月によって異なる日数やうるう年によるずれを自動で調整してくれる機能
- デイデイト機能…日付と曜日の両方を表示してくれる機能
- パワーリザーブ…主に機械式腕時計の手巻き式の残り稼働時間を教えてくれる機能
▼海外メーカー製を購入する場合
- 正規輸入品…国内正規品ともいい、正規の代理店を介することでしっかりとした保証を受けることができる。また保証書(ギャランティーカード)を出してくれるブランドもある
- 並行輸入品…販売店が正規の代理店を介さずに海外で直接仕入れをしたものでブランドによっては販売店の保証しかつかないケースもある
- 海賊品でない限り、正規輸入品と並行輸入品は同じ腕時計です
- 為替の影響もあるが基本的に並行輸入品のほうがブランド保証がついていない反面、割安で手に入ることが多い
まとめ
今回は腕時計に関する基本的な知識をまとめてみました。
かなりの長文になってしまいましたが、この記事で腕時計との距離が少しでも縮まったのであれば幸いです。
携帯を見れば時間はわかるから腕時計はしないという人も多い中、一生モノの腕時計を手に入れたいと思っている人もかなり多いんですよ。
僕は、宝飾店で高額な腕時計の販売に携わったことがありますがいい腕時計はその人の見た目や雰囲気、人間性すら数段レベルアップしたように見せてくれます。
手元に自分が選び抜いた腕時計が見えていると、仕事やプライベートも楽しくなるものですよ。
この記事を読んでくれた人にも素敵な時を刻む腕時計に巡り合えますように。
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