こんな方におすすめの記事です
- ワイン売り場の改善がしたい
- ワインの売り上げをあげたい
- 少ない労力でワインが売れる売り場にしたい
スーパーのお酒コーナーの主役といえば、どちらかというと、ビールや酎ハイ、次いで焼酎や清酒ですよね。
専門のスタッフを揃えている、ワインに力を入れているような企業でもない限り、スーパーのお酒担当者にとってワインはなかなか売れない商品だったりします。
本部より強制的に送り込まれてくるワインを前に、ため息の出る担当者も多いのではないでしょうか?
以前、僕もため息をついていた一人なのでよーくわかります。
そこで本記事では、スーパーのお酒担当者からメーカー側を経験して、ワインの売り上げを140%まで伸ばしたことのある方法を今回の記事でお伝えできたらと思います。
目次
スーパーのお酒売り場でワインが売れないのはなぜ?
最近のスーパーのワインの品揃えは、僕がスーパーのお酒コーナーで働いていたころに比べると、びっくりするくらい豊富になっています。
価格帯も比較的手を出しやすい、~1,500円くらいのものが充実していますし、お店によってはワインセラーを入れてるところもありますよね。
そんなスーパーのワイン売り場なのに、どうして売れないんでしょうか?
僕の経験上、次の3つの理由があげられます。
- ワイン初心者さん向けの売り場がない
- ワインの陳列がわかりにくい
- 店員に知識を得る余裕がない
それでは、1つずつ見ていきましょう。
ワイン初心者さん向けの売り場がない
スーパーのお酒コーナーにくるお客様の中には、ワインに興味がある人は、実はかなりいると思われます。
統計を取ったわけではないのではっきりとした数字はないですが、ふらりとやってきてワインの前をうろうろしながら、ワインを手にとって、あれこれ見てる方は意外といらっしゃいます。
裏のラベルの表記も、以前と比べるとかなり丁寧な説明が書かれるようになってきましたしね。
でも、お金を出すお客様にとって、初めてに近いワインというお酒を買うために、必要な決定打が足りないので、また棚に戻しているんですね。
スーパーのお酒コーナーで、ワインの売り上げをあげようと思うなら、潜在的なワインに興味がある人を、いかに拾うかが重要です。
なぜなら、ワインをある程度飲んでいる人であれば、どんなのが飲みたいかがある程度決まっているでしょうし、購入場所もスーパーではなく、専門店やネットなど選択肢は拡がります。
ワインのことは全然わからないけど、できればあまり高くなくて、でも美味しいワインが飲んでみたい、、そんなお客様のためのコーナーを作るだけでも違ってきます。
ワインの陳列がわかりにくい
最近では売り場の改装などが入ると、かなり定番の棚の陳列が見やすくなっています。
国別だったり、価格帯だったり、赤ワイン・白ワインなどの種類別だったりと、ちゃんと分けてあるような棚だと見やすいですよね。
ただ、それ以外の売り場(エンドや催事)はごちゃごちゃなお店が、まだまだ多いです。
常時、商品が陳列してあるような棚のことを定番(棚)、その棚の側面に作っている陳列スペースのことをエンドといいます。催事スペースというのはクリスマスやお正月、お花見などテーマに沿って展開されるような場所のことをいいます。
エンドにありがちなのが、本社から送り込まれたワインを、とりあえず並べておくというのが繰り返されていくうちに、新旧入り乱れて、何が売りたいのかわからない売り場になってしまっている状態です。
せっかく納品されたワインを紹介する場所なのに、ただ並べてプライスカードを付けただけでは売れませんよね。
売れるということは、在庫を消化するということです。
ワインがあまり売れないお店では、こういったワインの送り込みに気が滅入るのもわかりますが、どうせならいかに消化率を上げるかを考えてみましょう。
店員に知識を得る余裕がない
スーパーの場合、お酒売り場に限らず、構成されている従業員のほとんどがパートとアルバイトです。
しかも、お酒の担当社員さんがいる場合でも、ずーっとお酒を担当しているほうが稀で、色々な部門を異動していく場合がほとんどなんです。
これは、のちに管理職に育てるための経験を積むためという側面もあります。
そんな社員や、ましてやパート・アルバイトの人たちに、ワインをはじめとするお酒の知識を覚えなさい、というほうが無理があります。
ですが、ワインの知識があるほうが、圧倒的に売りやすいのもまた事実ですよね。
なぜなら、メーカーや本社から送られてくるPOPは専門用語で書かれているものが多く、一般人にはさっぱり意味がわからないものがほとんどなんですね。
そこをかみ砕いて説明できるかどうかだけで、ワインを始めてみたい人の背中を押すことができます。
スーパーで働いたことがあるのでわかりますが、人数的にギリギリなお店のほうが圧倒的に多いので、毎日の仕事をこなすだけで日々消化してしまうのが現実です。
プライベートで勉強するしかないため、もともとお酒が好きな人、ワインが好きな人がいてくれることを願うしかないのかもしれません。
すぐに出来るスーパーのワイン売り場の改善点を教えます!
それでは、どうやったらお酒売り場のワインが売れるようになるのでしょうか?
答えは、「ワイン初心者さん向けの売り場を必ず1カ所作る」です!
ワインが好きな人、馴染みのある人は現状の売り場でも、何かしら自分で探してワインを購入することができます。
つまりこのお客様の売り上げに、いかに上乗せするかで変わってきます。
スーパーという形態の店舗にくるお客様は、圧倒的に気軽に、わかりやすく選べる売り場を好みます。
ワインを飲んでみたいけど、どんなワインを買えばいいかわからない、そんなお客様のために必要な仕掛けは次の3つです。
ポイント
- 「入門編」もしくは「ワイン初心者」向けの売り場とわかるPOPを付ける
- 一度に多くの種類を置かないほうがいい
- ワインは売り場映えさせやすいので装飾を工夫する
「入門編」もしくは「ワイン初心者」向けの売り場とわかるようにする
ワインを初めて選びに来た人、初心者さん向けの売り場はこちらですよ~と、とにかく全力でアピールしてください!
商品の選定は、難しく考えすぎないで飲みやすさ重視でもいいですし、ラベルや見た目重視でもいいと思います。
すくなくとも、重めのフルボディの赤ワインではなく、手始めに軽めのライトボディのものや国内メーカーのペットボトルワインでもよいと思います。
個人的には少し勉強して、ペットボトルのワインよりは、500~1,000円くらいのコスパのいいスペインやイタリア、チリなどのワインを並べてあげてほしいなと思います。
一度に多くの種類を置かないほうがいい
調べれば調べるほど、あれもこれもおすすめしたくなる気持ちはわかりますが、商品があればあるほど悩んだ挙句、やっぱり買わないパターンに陥ることが多いです。
売り場の面積にもよりますが赤・白、できればスパークリングワイン、それぞれ3種類ずつくらいまでにしたほうがお客様は選びやすいと思いますよ。
あと生産国を揃えるのも有効ですよ。
初心者さんがワインの味を知るには、チリ産のワインで、おすすめのワインを選んであげるのもいいですね。
チリ産ものは価格帯も控えめで、ブドウ品種も多く、ブレンドされていないものが多いので、ワインの好みを知るにはもってこいのワインです。
また、ヨーロッパと南米では、ブドウの育つ環境がかなり違いますので、おなじブドウ品種でも味が変わってきます。
逆にいえば、生産国でこんなに味が違うんだよっていうコンセプトで、同じブドウ品種を味比べとして売り場を作るのも面白いかもしれません。
1つ注釈をつけるとすれば、特にフランスのワインはブレンドされているものが多いので、エチケット(ラベルのこと)に書かれているブドウ品種は、そのワインの原料の割合が一番多いものになります。
ヨーロッパ以外のワインはブレンドしていないものが多いので、そのブドウ品種の味がそのまま楽しめるという特徴もあります。
ワインは売り場映えさせやすいので装飾を工夫する
他のお酒に比べて、圧倒的に売り場映えするのがワインボトルの不思議な魅力です。
最近では、100均でもいろいろな装飾グッズがあるので、売り場の装飾に挑戦してみてはどうでしょうか?
個人的におすすめなのは「きっちり整列させない陳列」です。
不規則な並びのほうが意外と気になりますし、きっちり並べてあると売れてない感が出てしまうこともあります。
大量のワインを一度に並べるときは、きれいに整然と並んでいるほうがいいんですけどね。
あと、ワインを積極的に売りたいメーカーと協力して、さまざまなテーマのボードや販促物を提供してもらうのも手です。
単純にそのメーカーで売れているワインを並べる代わりに、売り場作りに手を貸してほしいといえばほとんどのメーカーはのってくれます。
メーカーに協力をお願いできる場合は、専門用語をいかに使わないで、ワイン初心者さんに商品を紹介するための方法を教えてもらってください。
メーカー色の強い売り場は、必ずといっていいほど既存のPOPを貼りまくっているので、はっきり言ってワインに馴染みのない人には刺さらない売り場になってしまいますので注意してください。
スーパーのワイン売り場での手書きPOPは威力が半端ない
一時期、書店の店員さんが始めたとされる「手書きPOP」ですがご存知ですか?
お店の人の言葉で、一押し商品を文字通り手で書いて掲出するというものです。
よく「字が汚いから」とか「なに書けばいいかわからない」という理由で断固拒否する人がいますが、きれいな字で書くよりも味があっていいものですよ。
それに、印刷してあるものに比べると、お客様の目に留まる確率はかなり上がります。
そもそも、専門的な難しいことを書く必要は全くありません。
どこどこの評論家やワインコンクール受賞よりも、ワインに馴染みのない人は店員さんのより身近な言葉に反応します。
ワインの特徴はパンフレットなどで知ることはできますが、なにせワインを始めたころの人にとって、その文言はイメージしづらいのが難点です。
たとえば、「ソーヴィニヨン・ブラン」という白ワインの香りは、「爽やかな草原の香り」とか「刈りたての芝の香り」といわれますが、白ワインの香りに結びつかないと思いませんか?
開けてみるとたしかに爽やかな青臭い?香りがするのですが、不快なものでなく、新鮮なピーマンや青ネギのような香りともとれます。
「その中に、グレープフルーツのような香りが隠れているんですよ~」って一言書くだけでも、興味を引くレベルが全然変わってきます。
ちなみにソーヴィニヨン・ブランはそんな香りの表現の仕方なのに、女性に人気がありしますし、僕も好きなブドウ品種です。
特に夏場にはおすすめですね!
いかに潜在的なワインに興味のある人を捕まえるかが鍵
ワインが一番売れない理由は、売り場に魅力がないのではなく、お客様のワインに対するハードルの高さなんですよね。
お客様が、ワインの何に対して、ハードルを高く感じているのかを知れば、売り場の作り方も変わってきますし、お客様の興味・関心を引くことができるようになります。
パートやアルバイトで構成されていることの多いスーパーでは、なかなかワインの勉強をするように指示しても、難しいところですよね。
そんなときは最低限の知識、または豆知識として簡単な一口メモ的なことだけ教えてあげてください。
パートやアルバイトも、興味がわけばもっと知りたくなるでしょうし、お客様に質問されて答えられるものがあると自信にも繋がります。
記事中にも書きましたが、お客様に対しても出来るだけ、専門用語を使わないで伝える方法を考えるのも、なかなか楽しい作業ですよ。
練習方法は簡単で、知識を持ち合わせていないパートやアルバイト同士で、専門用語を使わないで、いかに教えられるかを試せばいいんですよ。
これだけでも、ものすごい勉強になりますよ。
以上、今回はスーパーのワイン売り場作りについての記事でした。